Access・VBAを使用した情報システムの作成

久保恵美 後藤里恵 澤見麻理 地畠裕子

椿絵美子 中島千晴 中村由美 松尾望美 森重尚美

(指導教員:藤井美知子)

 

1.はじめに

Access ・VBAを利用してデータベースシステムを構築することを課題にゼミを進めてきた。前期は、テキストを参考にして図書管理システムを構築し、リレーショナル型データベース管理システムであるAccessについて学習した1)。後期はAccessの勉強に加え、さらにVBA(Visual Basic for Applications)について学習した2)。その結果、2つの情報システムを作成したので本報告では2つのシステムについて報告する。

前期までで作成した図書管理システムについては、VBAを使って更にシステム利用者が利用しやすなるようにした。後期には、VBAの勉強を主として、CD管理システム構築までの学習を行った。

 

  1. Access・VBAについて
  2.  Accessとは、データの管理や操作が簡単にできるように設計されたリレーショナル型データベースソフトであり、初心者でも簡単にデータベースが作成できるよう、様々なツールが用意されている。またVBAを搭載しているため、Accessに慣れてくると、自分でプログラムを開発することもできる。

     Accessを使用するだけで情報システムを構築することができるが、さらにVBAを使うことにより、利用しやすい情報システムを構築することができる。VBAはMicrosoft社が自社のアプリケーションソフトで利用できるように開発したプログラミング言語である。Accessに限らず、WordやExcel、PowerPointなどでも利用できるプログラミング言語である。

     

  3. 図書管理システム

 図書館の図書貸出返却を管理する例をとりあげ、図書貸出返却の処理ができるシステムを作成した。図書の管理に必要な情報を蓄積したデータベースである。図書に関する情報のテーブル、図書区分に関するテーブル、貸出先に関する情報のテーブル、利用者の貸出日と返却日の状況を管理するテーブルなどからなる。Accessの4つの機能である、テーブル、クエリ、フォーム、レポートを使って管理システムを作成した。まず、全ての処理項目が分かるように、メニュー画面を作成した。その中で、利用者登録・貸出処理・返却処理・図書データの入力・貸出し、問い合わせの5つの処理が出来るようにした。図1は図書の貸出を行うときの画面である。

 

 

図1 図書貸出画面

4.CD管理システム

 CDアルバムに関する情報をまとめたデータベースを作成した。ジャンルやアーティスト名、アルバムタイトル名、曲名などの項目から、自由にデータを検索できるようになっている。

まず、CDアルバムに関する情報のテーブル(CDコレクション・曲名コレクション)を用意し、それをもとに、検索できるようにした。メニュー画面でCD管理に関する仕事ができるようにしており、<CDコレクション>でアルバムの情報を見ることができるとともに、すべての操作がここから行えるようになっている。<新規入力>で新しく購入したアルバムの情報を入力することができる。<CD検索>では、コンポボックスを使って、検索したいアルバムのジャンルやアーティスト名、アルバムタイトル名などの項目から、自由にデータを検索できる。<曲名検索>は、曲番号や曲名から、その曲がどのアルバムに収録されているかを検索する画面。<終了>を押すと終わるかどうかの確認メッセージが表示される。

 

図2 CD検索結果画面

 

 VBAを利用した機能として、メッセージボックスを表示した。例えば、システムを終了するボタンをクリックすると、いきなりCD管理システムが終わり、Accessが終了するのではなく図3に示すようなウィンドウを表示することによって、キャンセルも行うことができるようにした。

 

図3 終了時のメッセージボックス画面

このイベントプロシージャはマウスボタンをクリックするなどの、マウス操作を行ったときに、メッセージボックスを表示させるように関連付けられたプロシージャ(実際の処理内容を記述した部分)で、Visual Basic Editor(プロシージャを記述する画面)に下記のイベントプロシージャを記述した。最後にコンパイル(VBAを使って作成したプログラムをAccessが実行できるようにする作業)をして、エラーが出なければ図3のメッセージボックスが表示されるようになる。

 

図4 図3のイベントプロシージャ

 

  1. おわりに

 Accessを利用してデータベースの構築について勉強し、さらにVBAを利用し、使いやすいシステムを構築した。

参考文献

1)永江 英夫:「Access 2000ステップアップラーニング」技術評論社(1999)

2)北湯口ゆかり/瀧澤崇子:「チャレンジ!Access 2000 VBA」LOCUS(1999)