Javaサーブレットなどによる色に対するアンケートシステムの試作

佐々木 裕子 佐々木 玲子 品川 和美 清水 ひとみ 田淵 香里
千葉 知美 冨永 妙子 久永 裕美 藤里 恵美
 
指導教員 吉田 信夫

1 はじめに

色は食べ物の色、洋服の色、車の色、またインテリアの色など私たちの日常の生活に深く係わっている。 人の色の好みは人それぞれに異なり、その時々の気分でも変わってくる。また年代によって好みや色に対する意識が変化していく。さらに、年によって色の 流行がダイナミックに変化する。色は社会現象とも密接に係わる。
そこで、私たちはホームページを利用して収集することができる、色に関するアンケートシステムを作成することにした。 本システムは、色に関する教育に利用することを目的のひとつとして、授業等で説明をしながらアンケートを実施するための システムである。システムの構築は各種Javaを部分部分に適宜利用して遂行した。
私たちは、JavaによるWebアプリケーション構築の ひとつの方法を体験することができた。

2 システムの概要

2−1 システム概要

本システムは大きく分けてアンケート収集と集計および集計結果表示部よりなるがその構成を図1に示す。 アンケート収集部は色選択部とアンケートデータ収集部からなる。 それぞれの部分は表1に示すツールを用いて構築した。

  
モジュール
システム構築ツール
オープニングMacromedia Flash MX
アンケート説明HTMLとJava Script
色選択Java アプレット
アンケート収集Java サーブレットとJSP
集計および結果表示Java アプレット
図1 アンケートシステムの構成
表1 システム構築ツール(大きい表

2−2色選択システム

色選択システム概要を図2に示す。この部分はJavaアプレットを使用して作成しており、本年度、もっとも力を入れて作成した部分である。 選択できる色は、現在のコンピュータシステムが一般的に取り扱う16,777,216色全色とはせず、その内の45,120色とした。 マウスでクリックした部分の色は 15行×31列の465色が3列で1,395色。この部分で色相(hue)の選択をしてもらう。さらにグレースケールの15色をあわせて1,410色である。 その1,410色のそれぞれの色に明度と彩度の変化を加えることができる機能を備え、1,410色×32の45,120色を表示可能としている。 この色選択システムのプログラムの流れを第3図に示す。

図2 色選択画面

図3−1 色システム全体
図3−2 イベント処理メソッド
図3−3 描画メソッド

2−3 アンケート収集システム

 アンケートは依頼された回答者にとっては面倒なのもである。したがって、その質問項目はできるだけ少ない方が 良いことは言うまでもないが、少ない質問項目で求めたい情報を効果的に収集することが重要である。 私たちは1つだけの質問項目を設定した。それは「あなたがジャケットを買うとすればどのような色のジャケットを買いたいですか」という質問である。
しかし、集計結果の分析には、年齢・性別・また回答時期を必要とするので、ニックネーム、年齢、性別と色のRGB値および 集計結果の表示・非表示の5項目を入力してもらうことにした。
回答時期は自動的に収集できるプログラムとした。 ニックネームを入力してもらう必要性は、迷うところであるが、同一人物から何度も入力される可能性を考慮して一項目に加えた 本年度はJakarta-Tomcatの動作環境の設定が時間を要し、この収集システムは参考文献の例題をカスタマイズしただけで止どまりました。 集計・分析については一応の設計をしているが、本年度は割愛する。
保存ファイルの形式

3 Javaサーブレットのインストール

 アンケートシステムは回答者から得られたデータを ファイルに蓄積していくことができなければならない。しかし、Javaアプレットではファイルへの書き込みができない。 そこで、私たちはJavaサーブレットを実行することができる環境を、現在情報システム学科のWebサーバとして動作して いるLinuxサーバとWindows2000 サーバに準備した。
 Javaアプレットが動作するには、WebサーバのApache、サーブレットサーバのJakarta-Tomcat、Java開発キット、 データベース管理システムのMySQLが連携して動作しなければならない。私たちは、それぞれのサーバに表2のバージョンの これらのシステムをインストールした。

インストールシステム
Linuxサーバ
Windows2003サーバ
Webサーバ

Apache

Apache-1.3.23-9Apache Version 1.3(apache_2.0.54-win32-x86-no_ss[1])
サーブレットサーバ

Jakarta-Tomcat

jakarta-tomcat-4.1.31jakarta-tomcat-4.1.31
Java開発キットjakarta-tomcat-4.1.31j2sdk-1_4_2_10-nb-4_1win-ml
MySQLMySQL-3.23.37-3MySQL-5.0.18-win32
発表のための大きい表

4 おわりに

webアプリケーションを作成するための代表的なツールであるJavaを用いて構築してきた本システムに、 私たちは、下記にあげる条件を設定した。
  1. 色の教育に活用できる
  2. ホームページ上で実行できる
  3. 回答者に多彩な色見本を表示できる
  4. 回答者にこれまでの集計結果を効果的に提示できる
  5. 質問項目はできるだけ単純にする
上記の条件4については次年度に委ねる事になったが、 アンケートの収集まではなんとか実現の目途を立て、 JavaシステムのWebアプリケーションへの効果的な活用の一形態を習得することができた。

参考文献

山田祥寛著「10日で覚えるJakarta入門教室」株 翔泳社,2003

アンケートの実施

追 記

本学ではファイアウォールにおいて、 Java Servletのポートを開いていないので、 学外からこのアンケートに回答を寄せていただくことはできません。