色に対するアンケートシステムの試作(2)

石川 伸枝 江見 友梨香 重国 亜弥
高実 知子 堀 満沙代 渡辺 優
 
指導教員 吉田 信夫

1 はじめに

 私達は、Webページを利用した色に対するアンケートシステムの改良を行い、その結果として、カラーコーディネイトシステム のプロトタイプを作成することができた。
 昨年のシステムではアンケート調査をするにあたって、回答者が自分の好む色を一色選択し、その色のRGB値を指定されたテキスト ボックスに入力し、データ収集をする形態をとっていた。しかし、昨年度のゼミで作成したシステムのように四角形の色が変化するだけでは、 回答者が「自分の好きな色」のイメージを浮べることに多少の難がある(図1)。
そこで今回は、昨年同様服飾の色をアンケートの対象とし、欲しい服の色をイメージしやすいよう、四角形ではなく、 私たちがデザインした絵が、回答者が選択した色で着色されるように、システムを改良した(図2)。

図1 2006年度作成の色選択システム
図2 2007年度作成の色選択システム

2 システムの概要

 本システムの構成は昨年度作成されたアンケートシステムの運用を支援するシステムである。
 本年度主に変更した部分はアンケート収集の色選択の部分で、今回作成した座標取得システムによって、 色選択の部分をアンケートの目的に合わせて回答者のイメージが浮かびやすいようにアレンジすることができる。
 今回は、アンケート目的を私たちに一番身近な服飾のデザインにしたが、 その他にもインテリアや車などのデザインに合わせてこのアンケートシステムを変え ることができる。

3 今回作成したシステム

  
モジュール
システム構築ツール
オープニングMacromedia Flash MX
アンケート説明HTMLとJava Script
色選択Java アプレット
アンケート収集Java サーブレット/CGI
集計および結果表示Java アプレット
図3 アンケートシステムの構成
表1 システム構築ツール

3−1座標取得システム(実行)

 本「座標取得システム」は、8つのカラーボタンで色を選択し、マウスをクリックすると多角形が描け、その点の座標が同じウィンドウ内 に表示されるシステムである。1つの多角形はダブルクリックによって閉じられ、選択した色で塗りつぶされる。
そのプログラムの流れを図4から図8に示す。

図4 全体
図5 初期化メソッド
図6 actionメソッド
図7 mousedownメソッド

図8 paintメソッド

3−2 色選択システム(実行)

 現在のコンピュータシステムで表示できる色は人間の眼の視覚感度の限界に近い約1670万色である。 本システムはその中から45,120色を選択できるシステムとしている。
表示している色見本は、15行×31列の465色が3列で1,395色。この部分で色相(hue)の選択をしてもらう。 さらにグレースケールの15色をあわせて1,410色である。 その1,410色のそれぞれの色に明度と彩度の変化を加えることができる機能を備え、1,410色×32の 45,120色を表示可能としている。この部分は昨年度作成した機能である。
 今年度追加した機能は、アンケートの目的に応じて、デザイン画を表示する機能である。 この色選択システムのプログラムの構造は昨年度報告している。 今年度追加したデザイン画を表示して色選択をする主な追加メソッドを図9に示す。
 この色選択システムは、「はじめに」に述べるカラーコーディネートシステムとして、利用することができる。

図9 actionメソッドを追加

4 システムの問題点

 色選択システムは昨年度同様Javaアプレットを使用して作成しているが、javaアプレットからは、データをファイルに保存することができない、 したがって、CGIやJavaサーブレットなどを併用しなければならない。
また、回答者が色選択をした画像を印刷したり、ファイルに保存したりすることがインターネットブラウザの機能で実行することができず、 スクリーンキャプチャを利用しなければならない。
さらに、「おわりに」に述べるように今回作成したシステムにも機能拡張を図らなければならない部分が多々残っている。

5 おわりに

 この度のゼミをとおして、以下の点に改良すべき問題点がある。
@画面上に表示されるスタイル画の多数の点の座標を、色選択システムのプログラムに手動で入力しなければならないこと。
Aデザイン画をマウス等のポインティングデバイスでなぞる際に元に戻る機能が備わっていないこと。
B多角形を消去する機能が備わってないこと。
などである。
 そこで、改良策として以下の点のを挙げる。
  @取得した座標を自動的にファイル保存、もしくはプログラムに直接埋め込む機能を追加する。
A一つ戻るや一つ前の多角形へ戻るというボタンを作成する
 今回の反省点として、スタイル画をなぞる際に、一部、洋服の形をクロスする多角形で構成したので、 出来上がりが部分的に複雑に入り組んだ形になり、時間の関係上そのまま発表することになった。 もう少し計画的に余裕をもって作業を進めるべきであった。