データの出力


■ 処理の基本 

プログラムには様々な処理を記述しますが、それらを大きく見ると次の3つです。
  • 入力処理
    処理に必要なデータを受け取る処理です。これはキーボードから打ち込まれることもありますが、ファイルから受け取ることもあります。さらには別のプログラムから受け取ることもあります。
  • 計算処理
    情報処理の世界では、"計算"は、単に数値の計算を指すのではなく、コンピュータ内で処理することをすべて"計算する"と呼びます。
  • 出力処理
    コンピュータ内で計算された結果は、何らかの形で出力しないと、処理をした意味がありません。出力もディスプレイに表示されるだけでなく、プリンターに印刷される、音がでる、接続されている機械が動くなど様々です。
これら3つの処理は、ほとんどのプログラムに何らかの形で書く必要があります。そこでまず、Java言語でディスプレイ装置に「出力」する方法を説明します。

■ 出力プログラム例

次の最も小さいJavaプログラムは、「出力するだけ」のプログラム例です。 何を出力するかと言えば、"My first Java."を表示します。

public class Jsmp1{
    public static void main(String args[]) {
	System.out.println("My first Java.");
    }
}
このプログラムから、System.out.println(" ")は、カッコの中の" と "で囲まれた文字を出力する命令であることが推察できます。

■ 出力命令

出力する命令は、主に次の2つがあります。
  • println()
    ()の中の内容を出力し、出力した後で自動的に改行をする命令。

  • print()
    ()の中の内容を出力し、自動的に改行はしない。

()中の途中で改行をしたい場合は、記号¥n(バックスラッシュ n)を挿入します。すると、この記号を挿入した箇所で改行します。

■ いろいろな出力方法

次のプログラムは、ちょっとした挨拶をするプログラムです。
public class Aisatu1{
    public static void main(String args[]) {
	System.out.println("こんにちわ!");
	System.out.println("今日は、 24度でとても良い秋晴れですね。");
    }
}
次のプログラムも、挨拶をするプログラムですが、少し書き方が異なります。しかし、実行してみると同じ挨拶をします。
public class Aisatu2{
    public static void main(String args[]) {
	String aisatu;
	int kion;
	aisatu="こんにちわ!";
	kion=24;

	System.out.println(aisatu);
	System.out.println("今日は、 " + kion + "度でとても良い秋晴れですね。");
    }
}
上記プログラムには、aisatu と kion という名前がついた「値を格納する場所」が使われています。これを変数と呼びます。変数についてはあとでまた説明します。
ここでは、この例を用いて、出力命令の()の書き方を説明します。

aisatuは最初に文字列が格納される場所であることが定義され、次に「こんにちわ!」という値が代入されています。したがって出力命令でこのaisatuを出力すると「こんにちわ!」と表示されます。

	String aisatu;             //<ーーー 文字列変数 aisatuの宣言
                          :
	aisatu="こんにちわ!";   //<ーーーaisatuに文字列「こんにちわ!」を代入
                          :
	System.out.println(aisatu);   //<ーーー aisatuの文字列を出力する
print()やprintln()で表示する内容は、次のように2つ以上のデータを一度に記述することもできます。 その時は、以下のように出力する値を+(プラス)記号で連結して、ひとつのデータとして表示することを指示します。
"今日は、 " + kion + "度でとても良い秋晴れですね。"

+記号は、足し算の意味ではありません。2つのデータを繋げるという意味です。 ここでは、「今日は、」kion「度でとても良い秋晴れですね。」の3つが結合されています。kionには、事前に24という値が代入されています。 このように、2つだけでなく多数のデータを繋げることもできます。


プログラミング / 江木